内見の日に、
建物を見ます。
間取りと日当たりと価格は、どの会社でも説明できます。建物があと何年もつか、修繕にいくらかかるかは、実際に直している会社でないと言えません。当社が内見で何を見ているかを書いておきます。

まず、外から見ます
室内に入る前に建物の周りを一周します。
- 外壁のひび割れ、タイルの浮き
- 手で触って白い粉がつくか(チョーキング)
- バルコニー先端・庇の下面の爆裂(写真は鉄筋が露出した状態)
- ベランダ・屋上の防水の立ち上がり、水たまりの跡、ドレンの詰まり
- 共用廊下・階段の鉄部のサビ、手すりのガタ
鉄筋が露出していれば、そこから錆が広がって周りのモルタルを押し出します。見つけた時点でいくらかかるかは、直している側なら見当がつきます。

足場が架けられない建物こそ、見られていません
隣地との距離が近い、前面が幹線道路、電線が回っている。そういう建物は足場の仮設費が高くつくため、調査や補修が後回しにされがちです。
当社はロープアクセスで作業します。足場も高所作業車も使わずに全面を調査できるので、「足場が架からないから見ていない」という建物を見てきました。
⚠️ 裏を返せば、足場が架けられない建物は次の大規模修繕で仮設費が高くなる建物です。買う前に知っておく価値があります。
築年で、次に来るものは決まっています
建物の傷み方には順番があります。築年が分かれば、次に何が来るかはだいたい読めます。
| 何を | おおよその周期 | 築27年の建物なら |
|---|---|---|
| 外壁の塗り替え | 12〜15年 | 2回目が視野に入る |
| 屋上防水の更新 | 15〜20年 | 1回目が済んでいるか要確認 |
| 給排水管の更新 | 25〜35年で検討 | これが最も金額が大きい |
| 消防設備(感知器等) | 型式失効・点検指摘で発生 | 点検の記録を見る |

他社が断る場所まで見ます
築50年を超える9階建ての分譲マンションで、人の出入りを想定していない塔屋上部(PHR)まで屋上防水を施工しました。資材はロープアクセスで上げています。
消防設備は、点検で型式失効が見つかってから交換までを一社でお引き受けしています。
マンションは「積立金が足りているか」で決まります
ここを誤解している買主の方が多いので、はっきり書きます。マンションの大規模修繕は、あなたが業者に発注するのではなく管理組合が発注します。あなたが払うのは毎月の修繕積立金と、足りないときの一時金です。
だから中古マンションで本当に見るべきは、建物の傷み具合そのものよりも傷み具合に対して積立金が足りているかです。
- 長期修繕計画があるか
無い、または10年以上更新されていない場合は注意してください。 - 修繕積立金の残高と、計画上の次の工事
いつ・何に・いくら使う予定かを見ます。 - 過去の大規模修繕の実施年
1回目が済んでいるか。2回目はもっと高くつきます。 - 滞納の状況
滞納が多いと、足りない分を負担する人が減ります。
これらは重要事項説明でも出てきますが、契約の直前に出てきても間に合いません。買うかどうかを決める前に見るものです。
当社がやること・やらないこと
- 内見に同行して、外壁・屋上・共用部を見た範囲で費用の目安をお伝えします(費用はいただきません)
- 戸建・区分・一棟の別を問わず、見える範囲で建物の状態をお話しします
- 大規模修繕そのものは管理組合が発注するもので、当社が受注する話ではありません
- 壁の内側や天井裏など、売主様の許可なく開けられない箇所は、見える範囲からの判断になります
- 建物状況調査(インスペクション)の正式な報告書を出す業務ではありません。当社がお話しするのは、施工者として見た所見です
工事そのものについて
各工事の内容は、それぞれのページに書いています。